2017年度 理研内競争的研究資金報告会
2018年3月29日(木)13:30-
場所:理研AICS C107
使用言語:日本語
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概要・目的
データ同化は、力学系理論、統計数理などの数理科学に基づき、シミュレーションと実測データを結びつける学際的科学である。近年急速に発展しているデータ駆動科学やAIとも融合的である。データ同化は、気象学分野で天気予報を実現する技術として高度に発達してきたが、近年シミュレーション科学の発展に伴い、地球惑星科学や生物学、脳神経科学など、その応用範囲が広がってきている。データ同化の応用範囲を広げ、様々な分野に双方向にフィードバックする数理科学としてのデータ同化をさらに強化することで、イノベーションを生み出す「科学技術ハブ」となりうる。
「データ同化をハブとした数理科学、実験・観測科学、 シミュレーション科学の融合研究のイノベーションハブの形成」事業では、理研のもつ豊富な人材、計算機資源、ソフトウェア資産を背景に、データ同化をハブとして理研内の実験・観測科学、理論・シミュレーション科学の橋渡しを行うことで、理研が世界のデータ同化研究のトップ拠点に並び追い越すことを目指す。
このため、本競争的研究資金では、昨年度に引き続き、理研内で新たにデータ同化をハブとした融合研究を始めるためのシード発掘、研究スタートアップを進める。理研内の広範な背景を持つ研究者間の交流を促進し、データ同化に関わる応用研究及び先進的理論研究の進展を支援する。具体的には、理研に所属する実験・観測科学と理論・シミュレーション科学の研究者が連携し、データ同化をハブとした融合研究に関する新しい着想に対して資金を投じ、この新たな着想を具体的な研究計画に練り上げることを目的とする。
報告会では、各資金獲得者より今年度の成果について発表を行った。
プログラム
時間 | 講演者 | 内容 |
---|---|---|
13:30-13:40 | 三好建正 | 開会、趣旨説明 |
13:40-14:00 | 川上英良 |
遺伝子発現データの次元圧縮と状態空間モデルによる時系列解析 |
14:00-14:20 | 清田純 | データ同化 細胞の運命予測への応用 |
14:20-14:30 | - | 休憩 |
14:30-14:50 | 柴田達夫 | 近似ベイズ計算法を用いた生物数理モデルの構築と展望 |
15:50-16:10 | 佐瀬巧 | 脳リズム現象のテーラーメード数理モデリング |
16:10-16:30 | 定昌史 | データ同化を用いた薄膜成⾧解析 |
16:30-17:00 | 三好建正 | まとめと議論 |